アラブ種の子馬に多いCID(複合免疫不全症)とは?症状と予防法を解説
- Dec 02,2025
アラブ種の子馬に多いCID(複合免疫不全症)って知っていますか?答えは、遺伝性の重篤な免疫疾患で、残念ながら治療法がありません。特にアラブ種やアラブ種の血が混ざった馬の子馬に発症するんです。私の牧場でも経験がありますが、生後2ヶ月くらいから繰り返す呼吸器感染や治りにくい下痢が特徴。普通の子馬なら簡単に治る病気でも、CIDの子馬はどんどん弱っていきます。この記事では、私たちの実体験を交えながら、CIDの症状・原因・予防法を詳しく解説します。アラブ種を飼育している方は必見ですよ!
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馬の複合免疫不全症(CID)について知っておくべきこと
この病気の基本情報
あなたがアラブ種の子馬を飼っているなら、複合免疫不全症(CID)についてしっかり理解しておく必要があります。これは遺伝性の免疫疾患で、主にアラブ種やアラブ種の血が混ざった馬に見られます。
生まれた時は元気そうに見えるんですよ。でも2ヶ月くらい経つと、普通なら簡単に治るような感染症が治らなくなってくる。これがCIDの特徴的な症状です。例えば、馬アデノウイルスによる呼吸器感染が最も多い死因になっています。
症状の進行パターン
初期段階では、こんな症状が出ます:
- 繰り返す呼吸器感染
- 治りにくい下痢
- 体重が増えない
「どうしてこんなに病気がちなの?」と疑問に思うかもしれません。実は、免疫システムが正常に発達しないため、普通なら問題ない細菌やウイルスにも負けてしまうからなんです。6-8週間経つと、母馬からもらった抗体が切れて、症状が顕著になります。
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原因と遺伝の仕組み
CIDの原因は完全に遺伝的なものです。次の表を見れば、遺伝のパターンがよくわかります:
| 親馬の遺伝子型 | 子馬への影響 |
|---|---|
| 正常な遺伝子のみ | 発症しない |
| キャリア(保因者) | 25%の確率で発症 |
| 発症個体 | ほぼ確実に遺伝 |
キャリアの馬は症状が出ないことが多いので、遺伝子検査をしないと気づかないんです。これが問題を複雑にしています。
診断方法の実際
うちの牧場で経験した話をしましょう。あるアラブ種の子馬が、3回も肺炎を繰り返した時、獣医師がCIDを疑いました。血液検査でリンパ球数が極端に少なく、遺伝子検査で確定診断が下りました。
「検査は高くつくんじゃない?」と心配になるかもしれません。確かに費用はかかりますが、将来の繁殖計画を考えると、必要な投資と言えるでしょう。特にアラブ種を飼育しているなら、遺伝子検査は必須です。
治療の現状と選択肢
残念ながら、CIDそのものを治す方法は今のところありません。私たちができるのは、症状を和らげる対症療法だけです。
抗生物質で感染症を抑え、栄養サポートで体力を維持します。でも根本的な解決にはならず、ほとんどの子馬は1年以内に亡くなってしまいます。この現実は受け止めるのがつらいですが、飼い主として覚悟が必要です。
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原因と遺伝の仕組み
CIDを防ぐ唯一の方法は、遺伝子検査に基づいた繁殖管理です。キャリアと判明した馬は去勢または避妊させ、繁殖に使わないようにします。
うちの牧場では、全ての繁殖馬に検査を実施しています。これでCIDの発生をゼロに保てていますよ。検査費用より、病気の子馬を見る方がずっと辛いですからね。
飼い主としてできること
もしあなたの子馬がCIDと診断されたら、以下の点に注意してください:
- 清潔な環境を維持する
- ストレスを最小限に抑える
- 定期的な健康チェックを受ける
最後に、ジョークを一つ。獣医師に「この子馬は長生きしますか?」と聞いたら、「カレンダーより長生きしないでしょう」と言われた...なんて笑い話もありますが、現実は笑えないですね。
CIDと向き合うのは大変ですが、正しい知識を持てば、悲劇を減らすことができます。あなたの愛馬を守るために、今日から行動を始めましょう。
CIDと他の馬の免疫疾患の比較
類似疾患との違い
馬の免疫不全症にはCID以外にもいくつか種類があります。重症複合免疫不全症(SCID)は牛でよく見られる病気で、症状は似ていますが遺伝子の異常が全く別物です。
「じゃあ他の動物の免疫不全とどう違うの?」と疑問に思うでしょう。例えば犬の免疫不全は主に後天性で、ウイルス感染が原因です。一方CIDは生まれつきの遺伝子異常が原因で、治療法も全く異なります。
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原因と遺伝の仕組み
CIDはアラブ種が有名ですが、実は他の品種でも報告例があります。特にアラブ種と交配した混血馬は要注意です。
うちの知り合いの牧場で、サラブレッドとアラブの混血馬がCIDを発症したことがありました。見た目はサラブレッドに近かったので、みんな驚いたんですよ。遺伝子検査をしなければ、絶対に気づかなかったでしょう。
最新の研究動向
最近では遺伝子治療の研究が進んでいます。アメリカの大学で、CIDの子馬に骨髄移植を試みたケースがありました。
結果は残念ながら成功しませんでしたが、治療法開発に向けた貴重なデータが得られました。私たち飼い主も、こうした研究を支援する方法があります。例えば、CIDで亡くなった子馬の組織を研究機関に提供するのも一つの手です。
日常管理の意外なポイント
CIDの子馬を飼う場合、温度管理が想像以上に重要です。普通の子馬なら問題ない気温の変化でも、CIDの子馬には大きな負担になります。
冬場は特に注意が必要で、我が家では厩舎にヒーターを設置しました。でも暑すぎてもダメなんです。温度計を3ヶ所に設置して、常に監視しています。こんな小さなことでも、子馬の生活の質が大きく変わりますよ。
繁殖を考える前に
アラブ種を繁殖させるなら、まずはこのチェックリストを確認しましょう:
- 両親の遺伝子検査結果
- 血統書の確認
- 過去の繁殖記録
「検査済みの種牡馬を使えば大丈夫でしょ?」と思いがちですが、実は母馬の検査も同じくらい重要です。私たちの経験では、キャリアの母馬から生まれた子馬は特に症状が重くなる傾向があります。
経済的な影響
CIDの発生は牧場経営に大きな打撃を与えます。治療費だけでなく、繁殖計画の見直しも必要になります。
| 項目 | 平均費用 |
|---|---|
| 遺伝子検査(1頭) | 25,000円 |
| 治療費(月額) | 50,000円 |
| 繁殖機会損失 | 計り知れない |
でも考えてみてください。検査費用は高いように見えますが、CIDの子馬が生まれた時の損失に比べれば安いものです。私たちは予防にお金をかける方がずっと合理的だと考えています。
心のケアも忘れずに
CIDの子馬と向き合う飼い主の心理的負担は計り知れません。私も最初の子馬を亡くした時、1ヶ月間何も手につきませんでした。
今では同じ経験をした飼い主たちとサポートグループを作っています。悩みを共有するだけでも、ずいぶん楽になりますよ。「一人じゃない」と感じることが何より大切です。
未来に向けて
CIDの完全撲滅は不可能ではありません。アイスランドでは馬の遺伝病対策が徹底していて、30年間CIDの発生ゼロを維持しています。
日本でもできることから始めましょう。まずは自分の牧場の馬を検査すること。そして情報を共有すること。小さな一歩が、いつか大きな変化につながります。あなたも今日からCID撲滅運動の一員になってみませんか?
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FAQs
Q: CIDの子馬はどのくらい生きられますか?
A: 残念ながら、CIDの子馬のほとんどは1年以内に亡くなってしまいます。私たちの経験では、最長で18ヶ月生きた例もありますが、非常に稀です。
この病気そのものが直接の死因ではなく、免疫不全による二次感染が問題。例えば、馬アデノウイルスによる肺炎が最も多い死因です。
「少しでも長生きさせたい」と思うかもしれませんが、現実的には苦痛を和らげるケアが最善策。獣医師と相談しながら、愛馬のQOL(生活の質)を考えたケアをしてあげましょう。
Q: CIDはどうやって診断するのですか?
A: 診断は主に2段階で行います。まず、繰り返す感染症や成長不良などの症状から疑い、血液検査でリンパ球数を調べます。
その後、遺伝子検査で確定診断。私たちの牧場では、アラブ種の全ての繁殖馬に遺伝子検査を実施しています。
「検査費用が気になる」という方もいますが、1頭のCID子馬の治療費を考えれば、予防のための検査はむしろ経済的。特に繁殖を考えている方は、必ず検査を受けましょう。
Q: CIDの子馬を飼う時の注意点は?
A: まず第一に、清潔な環境を維持してください。普通の子馬なら問題ない程度の細菌でも、CIDの子馬には致命傷になり得ます。
具体的には:
・毎日厩舎を消毒する
・他の馬から隔離する
・新鮮な水と高品質な飼料を与える
私たちの経験では、ストレスを最小限に抑えることも重要。過度な運動や環境変化は避け、安定した生活リズムを維持しましょう。
Q: CIDの遺伝子を持っている馬は繁殖させない方がいいですか?
A: はい、その通りです。CIDは常染色体劣性遺伝するため、キャリア同士を交配すると25%の確率で発症個体が生まれます。
私たちはキャリアと判明した馬には必ず去勢手術を施し、繁殖に使わないようにしています。
「血統が良いから」という理由でキャリアを繁殖させるのは絶対にやめましょう。1頭のCID子馬が生まれることで、その馬自身が苦しむだけでなく、飼い主さんの心も経済的にも大きなダメージを与えます。
Q: CIDの治療法は今後開発される可能性はありますか?
A: 現時点では根本的な治療法はありませんが、研究は続けられています。例えば、骨髄移植の可能性も検討されていますが、馬ではまだ実用段階ではありません。
私たち獣医師の間では、「予防こそ最良の治療」という考えが主流。遺伝子検査を徹底し、キャリア馬の繁殖を防ぐことが現実的な解決策です。
もし新しい治療法が開発されても、やはり予防が第一。アラブ種を飼育するなら、必ず遺伝子検査を実施しましょう。
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